12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/01/23(日) 17:23:26.77 ID:ltIw3edqo
「純ちゃん、変な声」
くすくすと憂が笑った。
憂はグラウンドから見える並木や、雑草や、鳥がみんな暑さに歓喜して踊っているように思った。
彼女はとても楽しかった。
「純ちゃん、私……」
だから、胃の中に残っている氷を、クーラーの置き土産を、とっとと溶かしてしまおうと思った。
ボールを放りながら、言った。
「私ってさ、大人っぽいかな?」
ボールは真っ直ぐに純の胸へと向かっていった。
純はボールを右手に持ち替えて、しばらく憂を見つめた。
気の抜けた動作でボールを投げて、言った。
「しっかりしてるよね」
憂は放物線上を旅してきたボールを、真っ直ぐに投げ返した。
「それは、大人っぽいってことなの?」
また、力のない軌道で純から憂へボールが放られる。
「そうなんじゃない。なんかよくわかんないけど」
真っ直ぐに憂から純へ。
「それはさ、なんでだろうね。私もみんなと同じ高校生なのにね」
ゆっくりと純から憂へ。
「そりゃあ、お姉さんがあんな感じだから」
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