7: ◆RLqqTM6o/csr[sage]
2011/01/23(日) 17:16:56.50 ID:ltIw3edqo
「ねえ、純ちゃん……外はさ」
憂は背後の友人に声をかけて、窓ガラスに手を当てた。
ひんやりと冷たかったけれど、その薄いガラス一枚の壁は、これから確実に熱を帯びてくる、
そして、この部屋の中も。
「外は、暑いねえ」
ならば、いらない。
必要のないときは、窓を開けよう。
憂は顔に当たる熱気を感じて、明るく笑った。
「そりゃあね」
純は不思議そうに、相変わらずだらしなく寝転んだまま首を起こしてみたけれど、
窓から無遠慮に、楽しげに入ってきた熱気が額に当たって、引きかけていた汗がまたうっすらと滲むのを感じ、自然と笑顔になった。
どちらから言ったかは、どちらも覚えていないけれど、確かに彼女たちはこう言った。
「外に出よう、暑いから!」
蝉の声が膨張した空気を軽やかに揺らしていた。
103Res/68.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。