過去ログ - 侍「なぜ俺の家に童女が……」 幼女「ムニャ……」
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129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/06(日) 23:09:29.03 ID:G3hpmdq4o

 立ち止まった童女は、ほんの一瞬お侍の顔を見上げましたがすぐに前を向くと師範の後を追いました。
 お侍、再びわいてきた不吉な思いをおさえて二人の後に続きます。

 しばらく歩くと道場に出ました。
 数人の門人が木刀を振るい、鋭い気合が響きます。

 師範は道場の片隅に行くと、そこにあったひと振りの木刀を拾い上げました。
 振り向いて童女に差し出しますと、

「振るうてみい」

 それはいくらか短いものではありましたが、それでも童女とっては不釣り合いに長いものでした。
 お侍、構える幼女を怪訝そうに見ておりましたが、

 びょう!

 風を切る音に表情を変えました。
 そう、それはひどく美しかったのでございます。

 ぴんと伸びた背筋、踏みしめる足腰。
 身体に見合わぬ長物を扱っているにも関わらず振り回されない身のこなし。

 それはひどく美しかったのでございます。

 何も言えないお侍を置いてきぼりにさらに二振り。

 びょうびょう!

 ふと気がつくと、道場から音が消えておりました。
 皆、童女の方を見ていたのでございます。
 風切り音だけが聞こえます。

 びょう!

 本日付で童女の名前が道場の名簿に並びましたと。
 帰り道。



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