過去ログ - 兄「お兄ちゃん大好き……(裏声)」
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121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]
2011/03/26(土) 03:26:38.90 ID:zt0xOMzRo
〜番外編・昔話と名付け親、その1〜

雲子「昔はあんた達、仲良かったのにね」

 夕暮れ時の教室。
 ふと、雲子がそんな言葉を零した。
 
兄「あんた達って誰だよ。 凸と凹か?」

雲子「何よそれ」

 俺も知らん。

雲子「あんたと、妹ちゃんよ」

兄「んー……? どうだったかな」

 机に腰かけて、紙パックのジュースをストローで啜る雲子を見上げる。
 俺は床に寝そべっているのだ。
 パンツ見えるかなと思っての事だ。

雲子「私はほら、一人っ子だから。少し羨ましかったのよ」

雲子「今は全然。むしろあんたみたいなお兄ちゃんが居たら、嫌だけど」

兄「おっ、俺もお前みたいな妹、お断りじゃけん!!」

雲子「なんで顔を赤らめてるのよ」

兄「ゆっ、夕日だ」

 ”お兄ちゃん”って呼ばれた事に反応したのは秘密だ。
 
雲子「ねえ? 何か思い出とか、無いの?」

 ふむぅ? 思い出か。
 よっと、俺は起き上がり、後頭部をかく。

兄「あるっちゃある……かな」

 年を重ねる毎に嫌われているので、仲が良かったのは本当に幼い頃だけだ。
 記憶も、そうそう残っていない。
 それでも、俺はその日の事を良く覚えていた。


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