過去ログ - 兄「お兄ちゃん大好き……(裏声)」
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155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]
2011/04/13(水) 02:37:56.82 ID:PqO9NJyAO
兄「なんちゃってー、奇声を上げてみただけでぇす、てへっ」
俺は可愛らしく、頭をかき、舌を少しだけ出す。
占師「はぁ……アホか……」
と、単なる冗談に見せかけて、気がゆるんだ隙に、俺は一気に探偵さんとの距離を縮める。
堅く拳を握り、身をかがめ、彼女の腹に狙いを定める。
――これは決まった。
俺がそう確信すると同時に、一条の細長い影が視界の端を走る。
――今のは何だ?
答えが出る前に、俺の体は後方へ飛び、腹に衝撃を認める。
兄「うぐ……う」
腹に手を当て、うずくまった所に痛みが訪れ、俺は何が起きたのか理解する。
兄「か、完璧な作戦だったのに……」
途切れ途切れにしか声が出ない。
占師「……お前がふざけてる間、あいつは終始真顔だったぞ」
兄「お、恐ろしい奴だ……」
探偵「さてと……トランプするか、着衣で」
占師「そ、そうだな」
痛みに悶える俺を意に介さず、占い師がカードを配り始める。
自分と探偵さんの分だけだ。
兄「な……なにやるんだよ……」
芋虫の様に這いずりながら、何とか二人の元へ。
占師「ん? ババ抜きだぞ」
兄「二人で!?」
探偵「だって君は参加出来ないだろ? 手加減はしたが、しばらく安静にしていた方が良い」
兄「……ああ」
それから、俺はもぞもぞと痛みを紛らわせる為に動き回ったり
相対的に高い位置にある二人の顔を見上げて、女の子に見下ろされる事に興奮を覚えていたりした。
その間、何故か二人ババ抜きで彼女達は大盛り上がりしていた。
兄「……やっぱり恐ろしい奴らだ」
占師「もう大丈夫なのか?」
兄「頑丈だけが取り柄だか……? あ、いや、そんな事は無い! 俺の長所なんて数え切れないわ。すまんこ」
俺は素直に謝罪した。
自分でも意味が良く分からない謝罪だけどな。
兄「で、せっかく3人になった事だし、次は何をやるんだ?」
探偵「うーん……」
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