過去ログ - ヴェント「私の背中はアンタに預ける」
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666:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/28(月) 03:16:04.80 ID:XKbl6oTDO



上条当麻は、ふと疑問を浮かべる。未だ爆発を防ぎきっている右手に。
何が起きて、何が影響して、何が起因で、……何もかも判らなかった。

怖々とまぶたを開く、一瞬だけ眩い光が視界を奪うが、目を細めて和らげる。
景色は至って変わってない。
己の右手が爆発を抑え込む光景。
反れる事も無く、安定した状態を保っていた。




―――横から伸びている、黄色い布に包まれた腕が、上条当麻の右腕に添えていたから。




感覚を失っていた所為か、腕が添えられている事に気付かなかったのだ。
彼は黄色い腕には見覚えがある。たった一人しか居ない。
しかし今“彼女”は『一掃』を身に受け、気絶しているはず。

視線を横へ移し、腕を辿って行く。そこに―――居た。

何時の間に側まで近寄って来たのか、判らない。
でも彼女は腕を伸ばして、爆発を抑え込もうとする上条当麻に、非力ながらも助太刀していた。




「ヴェント……」




返事は無い。半開きの目。
奥の瞳は虚ろ。
殆ど意識が飛んでいる有り様。
それでも彼女の意志はしっかりと、上条当麻に伝えられていた。


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