過去ログ - 面接官「えーと、次の方…ちっ、なんだ無能力者か」 佐天「…」
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/02/12(土) 01:25:12.08 ID:ObxX0uXd0
「初春、あなたの能力なんだったっけ?」

私の左手を引き離そうと奮闘する初春を尻目に、私はあの時の感覚を思い出していた。
能力者を、無能力者の私が、殺す。
たまらなく残酷で、愉快で、歓喜を湧き起こすあの感覚が今でもしっかりと両手に残っていた。

「ああ、思い出した定温保存(サーマルハンド)だったよね。初春にお似合いな地味な能力。」

首筋を撫でるように刃を顎へと移動させ、そこから耳へ向かって皮膚の表面をすこしづつ削りとっていく。
そして耳の穴へと吸い込まれかけた刃は急に向きを変え、初春の眼球へ刃先を突きつけるように静止した。

「でも今はずいぶん立派になった。触れている物体の温度を±50まで変化出来る、そうだよね?」

初春の頭が震えながら微かに上下した。
私の左手を引き離そうとするその両手に今は力は感じられず、恐怖だけが伝わってきた。

「ほら、私の腕の温度を上げれば助かるかもよ?なんでやらないの?」

歪んだ笑みを浮かべながら尋ねる。
カッターを持った手が勝手に動き、眼球を突き刺して抉り取るのを想像して気分が高揚するのを感じた。

「あーこんな状況じゃ演算なんてできないよねー。やっぱり初春は能力があっても無能なんだよ。」

そういってケタケタ笑う私は他人の目から見たらどう映っているのだろう。
まだ時間はそう遅くない。この声を聞きつけた誰かにみられる可能性も十分あるのに、そんなことを考える余裕なんて全くなかった。

「だからさー、こんな使えない腕・・・いらないよね?」

言葉が終わらないうちに初春の右手にカッターの刃を当て、そして思い切り引いた。


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