過去ログ - 面接官「えーと、次の方…ちっ、なんだ無能力者か」 佐天「…」
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55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/02/20(日) 23:47:31.99 ID:69IPcklf0
約束の日、待ち合わせの時間の30分前には駅に着き佐天さんがくるのを待っていた。
少し早く来すぎたと思われるかもしれないが、遅刻でもして佐天さんの気を削ぐような真似はしたくなかった。
ただ家でじっとしていることができなかった、ということも大きな理由になっていることは否めないが。

時間が迫ってくるにつれて心が落ち着かなくなるのを感じていた。
佐天さんはどんな顔をしているだろう、自分はどのように接すればいいのだろう、まず最初になんて言えばいいのだろう。
1秒ごとにうかんでくる心配事が頭の中に積もっていき、それに比例して鼓動が高まっていった。

「ごめんなさい、待たせちゃいましたか?」

不意にかけられた謝意の言葉。
それに反射的に振り向いてしまったせいで心の準備を全くしていない状態で向きあうことになってしまった。

「私が来るのが早すぎただけですの。佐天さんが気にすることじゃありませんわ。」

だが、口から出たのはなめらかで自然な言葉だった。
自分で自分を褒めたくなるほどの対応をすることができたと思う。
こんなことを考えている場合ではないのは分かっているのに、心のどこかで安心している自分がいた。

「ならよかったです。お久しぶりですね白井さん。」

佐天さんの顔は想像していたよりはずっと明るい。
あくまで『想像していたよりは』であって、やはり表情には陰りが目立っていたが。


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