348:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/07/31(火) 20:58:33.56 ID:nLqdHALGo
「あぁ、夏ですね」
時折明滅する古びた液晶ディスプレイを眺めつつ、私は独りそう呟く。
連日続く猛暑よりもずっと、目の前の光景は私に夏と言うものを実感させていた。
と言うのも、幾日か前に私の立てたスレッドが、夏厨と呼ばれる数人の愉快犯達の手によって散々に荒らされてるのだ。
「困りましたね、立てる時期を誤ったでしょうか」
意気消沈しながら呟き、唸り声を上げるパーソナルコンピュータの前で腕組しながら私は途方にくれた。
夏、という季節は長編のスレッドを立てるのに適した季節ではない。
夏休みに入り暇を持て余した学生達が、刺激を求めて遊び半分にスレッドを荒らすという行為が頻出する為だ。
それは理解していたつもりだったのだが、心のどこかで『自分のスレッドだけは大丈夫だ』と甘く見ていたのだろう。
リアルタイムでスレッドを立てた>>1、即ち私への罵倒が書き込まれるのを確認し、私は大きく溜息を吐いた。
「全く、いくら時間があると言っても他にやる事はないのでしょうか」
己の迂闊さを棚上げし、私はスレッドを荒らす夏厨達に憤る。
そもそも、私は昔から夏という季節が好きではない。理由は単純で、暑いからだ。
学校の同級生達が、やれ川だ山だ、と夏を満喫するのを尻目に、屋内に閉じこもり読書に耽る、
そんな内向的で面白みのない子供だったのだ。
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