377:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/26(日) 20:55:09.58 ID:w/0NnnoFo
『レンタル』からの帰り道。街灯の下を、先生が歩いてくるのが見えた。
相変わらず柔らかい雰囲気で、でも一日の疲れからか少し目を伏せ気味で。
話したいことがいっぱいあった。聞いてほしいことがたくさんあった。もちろん聞きたいことだって。
「あら、琴音ちゃん。元気だった?」
そんな声を期待して、琴音は片手を挙げかけた。のだけれど。
先生が何も言わずにすれ違っていって、その手は中途半端にさまよった。
あれ? と思って、振り返り、先生の後ろ姿を見送る。なんで?
ふと、脇に停まった車の窓に目がいく。
そして、先生が琴音とは気づかなかったんだと悟った瞬間。
琴音は力が抜けてその場で泣いてしまって、しばらく動けなかった。
街灯の明かりが冷たかった。
先生。さようなら。
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