144: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/08(火) 20:19:59.23 ID:hplLs8wro
(『妹達』か……)
噂にすぎないと、下らない都市伝説だと思っていた。
いや、思おうとしていた。
気にしないフリをしていた。
(もっと恐ろしいもんかとも思ってたんだけどね)
溜息を一つ。
ぼーっと、能天気に歩く自分のクローンを見て、美琴は脱力するしかなかった。
本物と入れ替わるとか、潜入捜査をするとか、はたまた人間関係をぶち壊すとか。
美琴は、そんな黒いイメージを持っていた。
漫画の読み過ぎだと笑われるかもしれない。
だが、『自らのクローンが存在するかもしれない』という時点で、十二分に漫画的な話だ。
(拍子抜け、とは言わないけど)
なんだかな、と思う。
本来なら二、三日寝込んでもおかしくないレベルの出来事だというのに。
もっとショックを受ける事であるはずなのに。
前を歩くミサカは、キョロキョロと色んなものに気を取られてはフラフラしているように見える。
まるで邪気のない幼稚園児のようだ。
「…………?」
これでは必要以上に警戒していた自分が馬鹿みたいじゃないか、と思っていた頃だった。
不意に、ミサカが立ち止まる。
「お姉様」
「んっ!?」
くるり、と振り返ったミサカはその手を自分のお腹へと手を伸ばす。
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