160: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/18(金) 16:57:09.18 ID:Cbu5Hl4Uo
3
美琴と追い出され気味な別れをした後、上条は後ろ髪を引かれながら寮の部屋に戻った。
「なんだったんだろうな」
せっかく補習もないんだしお昼寝、と言いたいところだったが、頭に浮かぶのは、二人の少女のことばかり。
寝るに寝れぬ気分にもならず、上条はベッドの上で転がっていた。
突如、目の前に現れたもう一人の『御坂美琴』。
今まで上条が知っていた美琴とはどこか雰囲気の違うもう一人の美琴。
「お姉様とか妹とか言ってたけど……」
信じていいものか、と上条は足を止める。
美琴から妹がいると、しかもそれが双子だという話は聞いていない。
わざわざ上条に話すことではない、と言われればそうかもしれないが、それにしたっておかしい。
(同じ常盤台の制服だったよな……)
常盤台の学生に聞いてみるのが一番早い。
だが、平凡学生に過ぎない上条に、そんな素敵お嬢様な知り合いがいるわけもない。
外に出て探すにしても、常盤台の学生は基本的に学舎の園の中にいることが多く、そうそう見かける事もないのだが。
(白井の連絡先が分かれば早いんだが)
生憎、彼女とは携帯の番号は交換していない。
美琴に『何も聞かないで』と言われた手前、詮索するのも無粋だとは思う。
だが、美琴の異常な反応から考えても、何かを隠している事は確かだった。
その『何か』が複雑な家庭環境の問題であったのなら、上条の立ち入る隙はない。
むしろ関わってはいけない、プライベートな部分だ。
(でも……そんな感じじゃなかったしな)
美琴の態度を思い出す。
美琴がもう一人の美琴に対して示した態度は、強気で威圧するようなものだった。
外敵に対する獣のような、威嚇に近いもの。
ただそれは、虚勢のようにもに見えた。
『強気で威圧的な美琴』から追い回されていた経験から考えてのことだ。
勘と言われればそうかもしれない。
根拠があるかと言われれば何もない。
強いて言うならば、上条自身の経験則でしかない。
349Res/214.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。