161: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/18(金) 16:58:04.52 ID:Cbu5Hl4Uo
「そういや、白井は風紀委員だったっけ」
携帯を取り出し、風紀委員の支部を検索する。
意外と簡単に見つかった支部のリストには、支部の場所と連絡先、所属生徒の名前が書かれていた。
第七学区の中にあるとは分かってはいるが、それでも支部は山ほどある。
その中から白井の名前を探し出すには苦労したが、どうにか電話番号を入手する。
一瞬の躊躇いの後、上条は通話ボタンを押した。
誰が取ってくれるかも分からない上、そもそも白井がその場にいるかどうかも不明だが上条にはそれ以外に手段がなかった。
『はい、こちら風紀委員第一七七支部ですが……』
数回のコール音の後、すこし緊張したような声が返ってくる。
「あ、すいません。白井……さん、はそこにいますか?」
『白井さんですか? ちょっと待ってくださいね』
電話の向こうの人は飴玉を転がすような声でそう言うと、『白井さーん、男の人から電話ですよー』という何か間違ったような事を叫んでいる。
『白井さん、私用の電話なら携帯でやってね』とか、『初春……貴女、わたくしで遊ぶとはいい度胸ですわね』とか、なんだか気の滅入る話が聞こえてくる。
『代わりました、白井です』
「あ、急に悪いな。ちょっと聞きたいことがあるんだが」
『わたくし、お名前をまだ聞いてませんわよ』
「っと、そうか。上条、だけど……」
そこまで言った時だった。
電話の向こうから『上条ッ!? お姉様となにやらされているあの方ですの?』という怒号にも似た声が飛んでくる。
キィィィン! という耳鳴りのような痛みが上条の右耳を襲い、慌てて携帯を耳から離す。
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