225: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/05/08(日) 18:18:00.17 ID:sFSCz0pbo
美琴の周りに突き刺さったレールは、さながら墓場に立つ十字架のようだった。
相変わらず動こうとしない一方通行に、美琴は奥歯を噛む。
残された手は一つ。
右ポケットにあるコインを用いた『超電磁砲』
チャリ、とコイン同士が触れ合う音がする。
「この実験に、なんの意味があるってのよ………」
ぼそり、とした呟きが漏れる。
何のために、自分のクローンが、この妹達が、死ぬことになるのか。
「なんでこの子達が死ななきゃいけないのよ! 殺されなきゃいけないのよ!」
美琴はポケットからコインを取り出し、右手を一方通行へと真っ直ぐに伸ばす。
「さっきから言ってンじゃねェか………」
一方通行は小さく溜息をつく。
何度も言わせるなと、少しイラついた調子で続ける。
「誰も手を出そうとすら思わねェような、無敵になりてェってよ」
その言葉に、美琴は頭の中が真っ白になった。
何を言ってるのかが分からない。
自分にとって利益なら人を殺しても良いというのだろうか。
まるでRPGでレベル上げをしているような物の言い草に、なんの言葉も出ない。
「ふざけんな……」
「あァ?」
「ふざけんなぁぁぁあああああああああ!!」
美琴の右手が光る。
そこから放たれた閃光が一直線に一方通行へと伸びる。
ゴッ! という音と共に発生した風が巻き起こった。
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