253: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/05/18(水) 19:46:10.27 ID:gR4yGKypo
行間3
一方通行の居る場所へ文字通り殴りこむ少し前、上条は暗い路地裏を駆けていた。
「くそっ……何が起こってんだよ」
走る上条の耳に届いてくるのは聞きなれた電撃の音とそれに伴う爆発音。
なんらかの戦闘が行われているのは確かだった。
それが白井の言っていた『絶対能力進化実験』によるものなのだろうか。
上条は奥歯を噛み、全速力のまま路地の角を曲がる。
「あれー?」
目の前に現れたのは暗い影、ではなく。
「そんなに急いでどこに行くのかにゃーん?」
目の前に立ちはだかるのは『原子崩し』の麦野沈利。
上条の目指す先、実験現場への道を塞ぐようにして彼女は悠然と立っていた。
「どこへ、って……この先に友達がいるんだけど……」
「ひっさしぶりだねぇ、『幻想殺し』。ま、覚えてないだろうけど」
一年前。ちょうど、美琴との初邂逅を果たした日と同日。
上条は麦野と会っていた。
なんでもない『ただコンビニで鮭弁を譲っただけ』の出会いではあったが。
「お前……実験の関係者か?」
「それはこっちのセリフでしょうが……まぁ、明らかに関係者じゃなさそうなんだけど、なんでココで実験やってるって知ってるのかな?」
ゆっくりとした落ち着いた口調で話す麦野の向こう側では、今もなお激しい音が響いている。
どういう状況なのかは分からないが、あまり猶予がなさそうなのは明らかだ。
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