254: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/05/18(水) 19:46:50.07 ID:gR4yGKypo
「やっぱりこの先なんだな……『絶対能力進化実験』の場所は」
上条の言葉に、麦野は少しだけ感心したような顔を作る。
『へぇ?』とでも言うような表情のまま、彼女は薄く微笑む。
「知られたからには、って、漫画の世界だけじゃないんだよ?」
そう言い終わるか否かのうち、麦野の身体から一筋の光線が飛び出る。
粒機波形高速砲。
一方通行には通じなかったものの、そのビームの破壊力は分厚い壁をあっという間に貫通させるような凶悪なものだ。
普通の人間、それも学園都市で言う『普通の能力者』が浴びたならば、ひとたまりもないだろう。
「な、なんだ、今の!?」
ひとたまりもない―――だがそれは、あくまで『普通の能力者』であった場合だ。
煙の奥から現れる上条の姿に、麦野は表情を固めるしかなかった。
「随分といきなりじゃねぇか……」
キッと睨みをきかせる上条に、麦野は舌打ちする。
そしてその後、ふと何かを思いついたかのようにニヤリと口元を歪めた。
「私達に依頼された内容は、『超電磁砲』以外の侵入を阻止する事だけだったんだけど」
麦野はすこぶる楽しそうな顔で続ける。
その恐怖さえ覚えそうな表情は、かえって残酷さを感じさせない。
「気が変わった。行きたかったら行けば良いさ。それが絶望の入り口かも知んないけどね」
「どういうことだよ」
彼女の言葉に、上条は唾を飲み込む。
実験と言うものがどういうものかは知らない。
少なくとも、試薬を混ぜて有機化合物を精製なんていうサイエンス教室じみた事はやっていないだろう、程度の認識だ。
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