322: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:23:22.15 ID:e3d7NYMPo
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「何があったか……それをテメェに話して何になンだ? 今までの事がチャラになンのか?」
「そういう問題じゃねぇ。俺の知ってるお前は、こんな下らない事するような奴じゃなかっただろうが」
「あァ!? テメェに何が分かってたってンだァ?」
上条の言葉に一方通行は歯噛みする。
その言葉は、一方通行が今まで何をしてきたかを知らないからこそ出るものだ。
そして、どのような生き方をしてきたかを知らないからこそ、簡単にそんな事が言えるのだ、と。
「『俺の知ってるお前』? ふざけてンじゃねェぞ、三下がァ!!」
だから、気に入らない。
軽々しくそう言えてしまう、上条が、その弱さが、強さが。全てが気に入らない。
一方通行は地面を蹴る。
飛び出した彼の身体は真っ直ぐに上条へと突き進む。
その細い腕を振りかぶり、雑に振り抜く。
おおよそ喧嘩慣れしていないであろう、気の抜けたような拳が上条の腹へと突き刺さる。
「っ!? が……は」
速度がついていたとはいえ、握り方もおかしいような、貧弱な当て身な筈だった。
にもかかわらず、上条の身体はごろごろと数メートルも後ろへと転がる。
「か……ふ……っ」
胃の内容物が逆流するような感覚に、上条は胸を抑える。
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