323: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:24:33.58 ID:e3d7NYMPo
「変わったんだよ……あれから何年経ったと思ってやがる。青くせェガキみたいだった頃の幻想を、いつまでも大切にしてんじゃねェぞ!」
一方通行は絶叫する。
心の奥にある、僅かな希望や光を掻き消すように。
己のしてきたことから逃れようと、助けに縋ろうともがく自分を吹き飛ばすかのようだった。
「あンときはまだ貧弱だった『一方通行』も、今じゃこの街のトップだ……テメェなんざに助けられる言われはねェンだよ、三下ァ」
真っ直ぐに立つ一方通行の数メートル先で、上条は地面を転がっていた。
乱れる息を整え、その白い姿を見る。
(なにが最強だ……)
唾と一緒に口に溜まった血を吐きだす。
先程とは全く逆の状況。
目の前の友人から感じるのは、学園都市第一位としての無言の圧力。
昔は感じたことのないものだった。
(なにが、レベル5だ……)
上条は右手を握る。
恐怖に対する、死に対する本能からか、自然と震える足を叩き、その身を起こす。
話し合いで止まればと思っていた。
甘いと言われようとも、強引に力でねじ伏せては意味がない、と。
一方通行の心の奥まで引っ張り上げてやらないと、この戦いに何の価値もない、と。
上条はそう感じていた。
「変わっちまったんだな、お前」
赤い目を睨みつける。
349Res/214.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。