5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/16(水) 22:37:55.60 ID:yiTG7ZAso
「っと、いざ開いてみるとなんて書いていいのか分かんねぇな」
苦笑いを浮かべる。
昔馴染みに唐突に手紙を送るようなものだ。
何を書いていいかどころか、何と書き始めればいいかすら分からない。
(急に恥ずかしくなってきた)
そわそわと居心地悪そうに身をよじり、深呼吸を一つする。
今時、ラブレターでもこれほど緊張するやつはいないのではないか、と言うくらいだった。
「えっと………」
指を迷わせるように、上条はキーを押しこんでいく。
『久々にメールしてみたんだが、元気にしてるか?』と。
「こんなもんか?」
少し素っ気ないような気もしたが、上条はそのまま送信ボタンを押す。
これ以上悩んでいたら結局送れなくなりそうだった。
「返事返ってくるといいんだけどな」
パタン、と携帯を閉じる。
半ばダメ元だというのは分かっている。
それでも、今朝の夢が何らかの『思し召し』である事に期待して。
「ま、そんな上手くいくわけな―――」
ピリリリリリ、と携帯が鳴動する。
驚きのあまり口から出かかった言葉をそのまま飲み込み、上条は目を白黒させる。
携帯に向けて『急に鳴るんじゃない』と言いたいところではあるが、そもそも電話は急に鳴るものだ。
どこにもぶつけることの出来ない理不尽な感情に戸惑いつつ、彼は携帯を操作する。
自分でも驚くほどの速さで受信フォルダを開くあたりに、上条は口元を緩める。
なんだかんだ言いつつも楽しみにしてたんだな、と再認識する。
受信フォルダにある未開封メール。
そこに書かれていたのは。
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