147:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/02(水) 20:44:06.41 ID:l22pbCWv0
分かってる。
彼は私の命を救ったし、私は彼を偽りの姿から解き放った。
それは彼にしか出来なかったし、私にしか出来なかった。
「俺にとって美琴は何より大切な人なんだ」
「命を懸けてでも、一生守り続けたいと思えた人なんだ」
「俺は…………それを見失ってた…………」
見失っていた?
どういう意味だろうか。
彼の言葉が紡がれるのを待つ。
「最初は……ただ、美琴に尽くしたくて、尽くして欲しくて」
「美琴が気持ちよくなってくれることが嬉しくて……」
「だから俺も嬉しくて……」
それは純粋。
相手を第一に考えた、相手のための交わり。
「だけど……!」
「だけど最近、俺は俺のことしか考えてなくて!」
「美琴をモノだとかなんとか調子に乗って!!」
いつしか、彼の声はかすれていた。
小さかった声は、悲痛な叫びになっていた。
「その結果が!!!」
一際大きな叫びが部屋中に響き、沈黙を戻す。
「…………美琴を…………傷付けた」
肩を震わせ、声を震わせ。
彼がその心のうちを明かす。
服の袖で目元を拭い、続ける。
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