53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/22(火) 20:10:36.14 ID:QmX4cSYB0
彼から20メートルほどの距離をとって通いなれた道を歩く。
隣に彼がいなくて、すこしだけ寂しい道中だ。
他愛も無い話をしたり、夕飯の内容を考えたり、夜食の打ち合わせをしたり。
とにもかくにも彼とお喋りしたい。
…………………我慢よ、私。
そう言い聞かせる。
「なんか、後姿ってのもいいわね」
彼ならなんだっていいのに、今更かと思うようなことを呟く。
暮れかけていた日は沈み、街灯が照らす道を歩き続ける。
「それにしても」
彼の持つ袋に目を凝らす。
いつも二人で買って帰る分量と大差が無い。
当然、疑問が生まれる。
「当麻って意外と大食いなのかな?」
そりゃ、男子高校生なんだし食欲も旺盛なんだけど。
いつも私が作っている量じゃ足りてなかったのかな?
で、でもしっかり運動するくらいだし?
考えれば考えるほど、思考の泥沼から抜け出せなくなる。
その中で一抹の不安が浮かぶ。
「もしかして、今日誰かと会うつもりなの……?」
私に会えないから、その溜まったものを別の女に処理してもらおうと言うのか。
彼に限ってそんなことは無いと思う。
いや、思いたい。
自信はある。
あるが……それでもやっぱり、真っ向から否定なんて出来ない。
なまじ彼の激しさを知ってるから。
あれだけの愛を私以外に向けてなんか欲しくない。
たとえその程度に及ばなくても、他の女なんかと絡んで欲しくない。
彼は…………私のだから…………。
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