過去ログ - 暦「今更するような話でもないけれど」
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13: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:36:28.24 ID:AaFb7K1U0
 そうじゃなくて、単純に進路の話である。
大学受験で、行きたい大学を二人に相談し(と言っても、もう決めていたことだから、これは確認と言うべきかもしれない)、合格の暁には家を出ようと思っている旨を伝えた。
僕が受けようとしている大学は、ここから大分離れた所にあり、そうなれば当然通うには厳しいということになり、であれば下宿という結論を出さざるを得なくなる。
ファイナルアンサー。

以下略



14: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:37:27.58 ID:AaFb7K1U0
 ともあれ、思っていたよりあっさりと、考えていたよりすんなりと、僕の望む結論に到達できた。
元々、僕をどうこうしようという両親ではないし(これは興味がないとかじゃなくて、僕の自主性に任せているという意味での話だ。念の為)、僕が色々考えた末での結論だということをわかってくれたのだろう。
学費もちゃんと出してくれるとのこと。
自分でバイトして稼ぐ、ということも念頭に入れてはいたが、そこはさすがというか、素直に感謝しておいた。

以下略



15: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:39:01.67 ID:AaFb7K1U0
 004.

 さて、回想終了。
結局のところ、どうやってかは分からないけれど、僕と両親のやり取りは、全て妹達に筒抜けだったらしい。
筒抜けにして、底抜けに間抜けな話だ。
以下略



16: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:39:52.34 ID:AaFb7K1U0
「おい、兄ちゃん、何度も話を逸らすなっての」
「そうだよ。どういうつもりかって聞いてんの。ちゃんと答えてよ」
「あたし達だって鬼じゃないぞ。まずは兄ちゃんの言い分から聞いてやろうって言ってんじゃねーか」
「今初めて聞いたぞ、そんなこと」

以下略



17: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:41:58.85 ID:AaFb7K1U0
 いやいやいや。
ちょっと待ってほしい。
これってそんなに理不尽なことか? 不自然なことなのか? そりゃあないだろう。
だって、誰だっていつかは家を出ていくんだぞ。
こんなの、ごく自然で、実に当たり前な、極めて普通のことじゃないか。
以下略



18: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:43:35.84 ID:AaFb7K1U0
「ていうか、お兄ちゃんが独立するなんて、冗談にしか聞こえない」
「その言葉こそ冗談であってほしい!」
「何言ってんだよ、兄ちゃんが一人で生きてけるわけねーじゃねーか」
「もっとひどい認識だった?!」

以下略



19: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:45:21.91 ID:AaFb7K1U0
「簡単なことじゃねーか、家から出ていくのを無しにしたらいいんだよ」
「何でそうなる?!」

 その結論はあり得ないだろう。
大体、ちゃんと両親の許可は取ったんだぞ、僕は。
以下略



20: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:47:34.65 ID:AaFb7K1U0
「つーか、通えばいいだろ、家から」
「お前、本当に話聞いてたのか? 遠いから無理だってんだよ」
「走れ」
「余計無理だろ!」
「じゃあ飛べ」
以下略



21: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:49:34.66 ID:AaFb7K1U0
 というか、人外の運動能力は期待されるのに、何でこんな生活力のポテンシャルに対する期待値は低いのか。
こいつら、普段どんな目で僕を見てやがる。
お前、普通の人間なら、空飛ぶより飯作る方が簡単だろうよ。
その逆を言う人間なんて、見た事も聞いた事もない。あってたまるか。
もちろん今の僕は普通の人間な訳で、だからまあ、家事くらいなら何とかなるはずなのだ。
以下略



22: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:50:58.27 ID:AaFb7K1U0
「何なんだよ、お前ら、何かちょっとおかしいぞ」

 沸点が低いのも、やり方が無茶苦茶なのも、傍若無人なのも、決して今に始まったことじゃないが。
それにしたって、言い分が不条理に過ぎる。
配慮や辛抱がないのはいつものこととはいえ、何より余裕がなさ過ぎだ。
以下略



23: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:52:13.63 ID:AaFb7K1U0
 僕の妹達は、火憐と月火は、いつだって無茶苦茶なことをするけれど。
だけど、それは少なくとも(あくまで当人達の認識からすればの話だが)、全て他人の為の行動だ。
他人の為であり、正義の為であり(これは本気で認めたくはないが)、実際にそう宣言して止まない。
それが本当に為になっているかどうかはさておいても、こいつらの行動理念は、いつもそこにある。
だからこそ、多くの人に慕われ、請われ、求められるのだろう。
以下略



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