過去ログ - 暦「今更するような話でもないけれど」
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6: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 22:29:45.30 ID:AaFb7K1U0
「お、兄ちゃん、ようやくお目覚めかい? 全く、いつものことながら寝坊助さんだな」

 目を逸らしたかった現実は、しかし聞き慣れたその声でもって、耳から頭に入り込む。
もうこれ以上ぐだぐだ考えるのは止めにしておこう。
受け入れよう、目の前の事実を。

 ここは、僕の妹達の部屋だった。
そりゃ見覚えもあって当然の話である。
いっそのこと、なかったことにしてしまいたいけれど、色々と。

 さて、そうであれば、誰がというのは、これはもう単純な話、他ならぬ僕の妹達であることに疑いの余地などなく。
加えて下手人が妹達である以上、寝ていた僕を拘束することなど、それはもう赤子の手を捻るより簡単なことだろう。
どうやって、なんて疑問ですらない。

「お兄ちゃん、何言ってるのよ。赤ちゃんの手を捻るなんて、そんな残酷な事が、簡単にできるわけないじゃない」
「ことわざの言葉尻だけ捉えるな。火憐ちゃんならともかく、月火ちゃんなら言葉の意味なんて知ってるだろうが」
「あたしならともかくってどういうことだよ。ていうか、今の兄ちゃんの台詞にことわざなんてあったか?」
「ほらわかってねぇ!」

 格闘の技術が日々磨かれていくのと張り合うかのように、馬鹿にターボがかかってきてないか? こいつ。
本当に、どこで何を間違ったんだろう。
元々の頭は悪くないはずなのになあ。



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