過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 23:11:05.37 ID:/YtqN7c5o
絹旗がトテチテと車に向かい、カズマは二人の方を見る。
「次はお前だ。金色の」
「ハッ! 結局、このフレンダ様の出番って訳よ!」
「やかましいわ。そんで、お前の特技は何だって?」
「ミサイルと爆弾の天才よ!」
「それで何ができる?」
「アンタを吹き飛ばすくらい、楽勝ね!」
「そうか。なら撃ってみろ」
カズマはフレンダから二〇メートルほど遠ざかり、ほれほれと手招きする。
「ずいぶん余裕じゃない? でも結局、アンタは私にひれ伏すって訳よ!」
そう言い切るなり、フレンダは三発の携行型対戦車ミサイルの弾頭を、カズマに向けて発射
した。どんな工夫がしてあるのか、それはとても短いスカートの中から現れ、そしてクラッカー
を鳴らすように簡単に飛んで行く。
着弾、爆発、そして轟音。高く舞い上がる爆風が、威力の程を物語る。
「ま、結局、私にかかればこんなもんな訳よ!」
にゃーはっはっは、とフレンダの高笑い。しかしその絶頂は長持ちしない。標的が尻を掻き
ながら戻って来たからだ。
「失格」
絹旗の一撃には返した感想の一つもない。ただ一言、失格。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! アンタはまだ爆弾を試してないじゃない!」
自信の砕ける音から耳を背け、スカートの中から取り出した人形をカズマに投げつける。
「ちょ、お前、何てところから出して――」
「ううううるさいわね! 結局こっちが本命なんだから!」
耳まで赤く染まったフレンダが、これもスカートの中から取り出したリモコンを乱暴に叩く。
「ときめいて死ね!」
一キロの学園都市製プラスチック爆薬を仕込んだゲコ太人形が、カズマの掌の中で爆裂する。
確かに、これを受け取ったのが御坂美琴であったら、彼女はときめいて死んだかも知れない。
だがしかし。
「失格、な?」
小躍りを始めようとしたフレンダの肩を叩き、再びダメ出しをするカズマ。
そもそも、カズマがミサイルや爆弾で死ぬくらいだったら、外にいた雑魚どもにやられてい
なければおかしいのだ。迂闊なフレンダはそのことに気づかなかった。
がっくりと膝をつくフレンダ。彼女にはもう、次の手はない。
「お前はもう、帰っていい。……帰って、いいんだ」
と、優しくなだめるカズマの手を払い、フレンダは逃げるように駆け出した。
「覚えてなさいよ! 次は欠片も残してあげないんだからっ!」
捨て台詞を残してフレンダは車を、絹旗の膝を目指して走る。
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