過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/03/24(木) 05:29:51.48 ID:Ml1iA1Uxo
三沢塾に止めを刺したカズマが、土産を担いで病院へ凱旋した。
「よっ! 今度のはデカいぜ!」
ゴロリ、とカズマが屋上に転がしたのは『ひこぼしII号』の最大の特徴である、地上攻撃用
大口径レーザーの射出口だ。否定のしようがない物証が、燻りつつ太さと硬さを主張する。
「さすがカズマ! 私たちにできないことを平然とやってのけるッ! どうするのよコレ!」
「なるほど立派だね。男のロマンを感じるよ。それで、これをどうしろと?」
「Undoubtedly、これは本物ね。でも、これはどうしたらいいのかしら?」
「そうだな、こいつを敵の基地にブチ込んでやるか。ヤツらの目が覚めるかも知れないぜ」
「ハッ! 衛星軌道に脳味噌忘れてきたの? 『表』にまで喧嘩売ってどうするのよ!」
「こんなもん作るヤツはゲスに決まってんじゃねえか!」
「ところで、その『敵の基地』とやらは一体どこにあるんだい?」
「そいつはこれから見つけ出す! ないなら探し出す! なくても見つけ出す!」
「Hereafter? 無策にも程がありますよ。バカですかあなたは?」
「いいや? 大真面目だね」
「あなたがそう思うのならそうなのでしょう、『あなたの中』ではね。でも――」
「それで充分だ」
「他人の忠告に耳を貸す気はないのですか?」
「前に進むための言葉ならな」
「……あなたの生き方を否定する気はありませんが、長くは生きられないと思いますよ?」
「関係ねえな。俺はそんなもんの為に生きてるんじゃねえ」
「では、何の為に?」
「決まってんじゃねえか、確かめるんだよ」
「何を?」
「コイツと、この拳と、どこまで行けるかをな!」
「そんな――」
カズマに絡む布束を尻目に、カエル顔の医者は美琴に耳打ちする。
「これはとりあえず隠しておこう。しかしこれ、持ち上がるかな?」
「たぶん何とか。最悪、『超電磁砲』でそこの庭に落としておくわ」
「頼むよ。僕はね、この街を守りたいんだ」
「それだけの価値があると?」
「気持ちは解るつもりだよ。でも、僕はこの街の理由を知っているからね」
「『理由』? それは一体……」
「いつか判る日が来るよ。それまでは知らない方がいい」
「この件にけりがつくまでは、知らないでいることにするわ」
「そうかい。――さあ、そろそろ戻ろう。少しは眠らないとね」
言って、カエル顔は布束とカズマに割って入る。
美琴は余計にやかましくなった三バカ、否、三羽烏を眺め、やれやれと苦笑すると腕まくり
をして、舌戦の仲間入りをした。
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