過去ログ - 婚后光子「アナタは…」一方通行「あァ?」
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54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/28(月) 13:21:11.68 ID:LGsIJ4Jto
突然の闖入者。
普通なら神の助けかと思うだろう。

しかし、そうは思えない。
男の怯え方が尋常ではないからだ。


「白髪に赤い瞳…っつーことは…!!て…てめぇは…」

「あ?オマエ…俺のコト知ってンのか?なら今すぐ尻尾巻いて逃げるンだな。
そしたら見逃してやるよォ、命は大切に、ってなァ。」


怪物は助かる路を提示する、これを慈悲と言わずなんと云うのだろうか。
しかし男はそんな慈悲をも露知らず、引き攣った笑いを浮かべた。


「へ…へへ…知ってるぜ、オマエ…無能力者に負けたんだってな…?
無能力者に負けるような『最強』なんか『最強』じゃねぇ!!俺にだって倒せるんだよぉ!!」

「はァ…オマエ、ソレ本気で言ってンのか?…だとしたら、相当哀れな奴だなァ…」


『最強』と呼ばれた少年は、赤い瞳を男に向ける。
その眼差しに侮蔑の色はなく、本当に哀れと思っているようだった。
しかしそれが、男の激昂を誘う。


「うるっせぇよ!!オマエを倒して、『最強』の名は俺のモンだ!!」
(ヤツがこの幻の俺に気を取られてる隙に…背後から喉を一掻き、それで終わりだ!)


男は気づいていない。
少年の首元の装置には、既にスイッチが入っているということを。
そして、いくら『最強』が負けたとはいえ、未だ絶望的なまでの力の差が両者の間にあることを。




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