17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/01(火) 19:29:00.69 ID:vKsSddtg0
「けど、このまま外に出たらドアから三歩でいき倒れるよ?」
『行き倒れるよ、じゃなくてね……』
「そしたら最後の力を振り絞ってダイイングメッセージを残すね。君の似顔絵つきで」
『……はあ。じゃあ、これでいいかな』
「ん? なにがなのかな……って、え? 急におなかいっぱいになった!」
正確には、今の空腹感を無かったことにしただけなのだが。
そう彼、球磨川禊は、実は無能力者というレッテルこそ貼られては居るものの、実のところ彼には
超能力とは別の、変わった能力を持っていた。
【大嘘憑き】、これは球磨川の欠点とも言うべき能力だった。
全てを虚構に出来る能力。
それがこの大嘘憑きの強大すぎる効果。
『そういえば、君はなんであんなところに居たのか、まだ聞いてなかったね』
「落ちたんだよ。ホントは屋上から屋上へ飛び移るつもりだったんだけど」
『屋上? でもそれって、この八階建てのビルを飛び越えようとしたって事?』
「そうかも。けど、仕方なかったんだよ。あの時はああする他に逃げ道が無かったんだし」
『逃げ道?』
彼が眉をひそめてそう聞くと、彼女は子供のようにこう答えた。
「うん、追われてたからね」
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