過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.8
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[sage]
2011/03/23(水) 22:14:28.21 ID:Gf3XDwd3o
「少し……飲みすぎたわね」
3次会のカラオケが終わったころには十分に酔いが回っていた。
あまり歌わずに飲んでばかりいたのだから当然かもしれない。
日中は少し暖かくなってきたとはいえ、深夜の空気はまだ冷たい。
逆にそれが少しだけ酔いを醒ましてくれた。
「あんた……あれだけ飲んで『少し』……なの?」
「桐乃、自分の身体がかわいいなら、瑠璃さんの酒量限界には触れないほうがいいよ」
少し後ろから失礼な声が聞こえた。
後ろに目をやると昨日の主役である高坂桐乃と、その親友の新垣あやせがいた。
二人とも酔っているようだけれど、心配は必要なさそうね。
「飲み方を知っているだけよ。それに式では大仕事させられたんだから、2次会と3次会くらい大目にみなさいな」
もう昨日の話だけれど、先輩と桐乃の共通の友人としてスピーチをした。
さらに受付、2次会幹事と続いて、3次会になってようやくごく親しい知人だけになったのでゆっくり飲ませてもらった。
居酒屋とは違う賑やかさの中で飲むのも悪くないものね。
「それにはすごく感謝してるケド……あの量は『飲み方知ってる』ってだけじゃどうにもならないレベルでしょ」
「予定の無い休日前なら確実に一升瓶空けてるよ。翌日にはケロっとしてるし」
「マジ!?」
「マジ。付き合わされる私が言うんだから間違いない」
「そこに同席しているのだから、あなたも同類でしょう?」
「私は途中でカクテルや水飲んだりしてます!」
「いや、あやせ。それでも十分すぎるでしょ?」
世間の普通と自分の普通が一致しないと苦労をする。
いまさら分かったことではないけれど、酒の席ではいつも思ってしまう。
少しお酒は控えるべきかしら?
「でも、『あんな風』になる飲み方をするより良いのではないのかしら?」
「まあ、そうですね」
私達の視線の先にはぐてんぐてんに酔っ払った高坂(兄)と赤城(兄)が二人そろって真っ白に燃え尽きていた。
瀬名が二人にポカリを渡しているけれど、なにか顔がうれしそう。
理由は……考えるまでも無いわ。
沸点がずいぶんと高くなったので、外ではああいった面を目にすることは少なくなった。
代わりに沸騰したときの勢いが良くなったのだから、身近な人間には迷惑この上ないけれど。
そんなことを考えていると、桐乃がパンっと手をたたいて私達の注目を集めた。
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