過去ログ - 上条「ラストダンスは悲しみを乗せて」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:48:20.51 ID:a+jCRixGo
 上条はその場でそれを見ていたが、やはり、何人か一般人が死んでいたのに、
 それを誰かが隠しているのではないかと訝りたくなった。

 それだけの惨状だったのだ。

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:48:44.16 ID:a+jCRixGo

 ――過ぎてしまったことだ。

 無事に済んだのはいいことではあるのだし、と自分を納得させようとしても、少し難しいものがある。

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:49:12.49 ID:a+jCRixGo

 たった数週間で、この通りは多くの学生たちに忘れられつつある。

 ゲームセンターは、もっと栄えていて、利便性に優れた場所に移った。移動はどこからも容易く、人の集まりも悪くない。

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:49:38.42 ID:a+jCRixGo

 行くアテはなかった。だからこの周辺に歩いてきたのも偶然でしかない。あるいは、何かが自分の足を引き寄せたのか。

 そちらの可能性の方が高いかも知れない。今日で、この通りに来るのは何度目になるか分からなかった。

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:50:04.97 ID:a+jCRixGo

 上条はビルに足を踏み入れて、中を軽く見回す。誰もいない。

 汚れたエントランスを通過して、壊れかけた階段を素通りし、薄汚れた突き当たりの廊下へ向かう。

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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:50:37.61 ID:a+jCRixGo

 仰向けに天井を見上げる。四隅には蜘蛛の巣。この分だと、自分が今身を置いているソファにも、虫が湧いているかも知れない。

 それは不快な想像だ。けれど、今更立ち上がる気力は失われてしまっている。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:51:03.56 ID:a+jCRixGo

 考えるまでもなく、上条の頭には答えが用意されていた。けれど上条は、あえて考えるのをやめなかった。

 そこで答えを出してしまったら、きっと、自分は泣いてしまうだろうから。

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:51:29.78 ID:a+jCRixGo

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 寮の自室に戻るとテーブルの上にラップの張られた食器が置かれていた。

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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:51:56.00 ID:a+jCRixGo

 舞夏の厚意に、いつまでも甘えるのはどうなのだろう。

 食事が摂れるのは助かるのだ。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:52:24.75 ID:a+jCRixGo

 迷惑だとは思わない。申し訳ない気持ちもあった。

 少し冷めたチャーハンを口に含む。やはり美味しい、と思う。それでも上条は、その味を素直に感じることができない。

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:52:52.88 ID:a+jCRixGo

 上条は食器を流し台に置いて水に浸しておいた。食器は、舞夏が次にやってきたときにいつも持って帰ってくれる。

 最初の内は洗って返したりもしていたのだが、最近ではそれもしなくなった。

以下略



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