30:松本晶[saga]
2011/03/04(金) 17:28:42.48 ID:8cQHTaIl0
悪ぶった笑みを鶴屋さんと交わす涼宮さん。つくづく、こういうのが似合うなあ。涼宮さんは腕を組んで------
「じゃあ、」
と言ったところで声を掛けてくる者がいた。
「おい、静かにしてくれないか? 涼宮」
眼鏡の似合うでも口調がぞんざいな男がぶしつけな忠告を放ってきた。
「は? 何、あんた。勝手に呼び捨てにしないでくれる」
「ふん、まさか俺が誰だか知らんわけでもあるまいな」
「知らないわよ。それで?」
つっけんどんに返されても皮肉下に上げた男の口角は下がらなかった。
「どうやら聞いたことは事実らしいな。精々世のため人のため、頑張るといいさ」
「あんた・・・・・いえ、やっぱいい。誰だか思い出したわ、生徒会長さん」
「ふん、中身が変わっても記憶力は良いとみえる。お前と話すのもそれはそれは魅力的で楽しい提案に他ならないが、俺は見ての通り-----」
目の前の書類の山を指して、
「忙しい、副会長急病の煽りを受けてな。さっさと行くといい」
「あんたにいつまでも構ってるほど暇じゃないし、言われるまでも無かったわ」
「そうしましょう、失礼します」
古泉君が挨拶すると、男は面食らったような表情をした。
「・・・何か?」
「いや、お気楽なSOS団とやらの連中は、どんな時も変わり映えのしないツラを並べているなと思ってな。
身代わりの偽物が入ると聞いていたが、愉快なほどに似てるじゃないか」
「はぁ・・・・」
「有希、古泉君、みくるちゃん、鶴屋さん。こんなのに構ってないで行くわよっ!」
「ほいほいっ!」
「はい〜」
三人が外に出てまとめて会計をしようという時、古泉君が財布を見て固まった。
「・・・・どうしたの?」
私が聞いたら、困ったように封筒を差し出してきた。
「いえ、随分羽振りが良いんだな、と思いまして」
その財布-----佐々木さんに出る前に渡されたもの-----は、必要以上に重く、ぎっしりと中身が詰まっていた。
「おそらくこちらの僕のバックアップ組織、例の『機関』から出たのでしょうが、それにしてもこれは-------高校生を高校生と思わない所業じゃないでしょうか。
こっちの僕が心配になってきましたよ、上司の管理能力を疑います。福利厚生、大丈夫でしょうか」
「・・・・・・そもそも女子高生を神と崇めている時点で。土台、まともとは言えない」
「-----------そう言うと怪しく思えますね。さて、長門さんは涼宮さんのところに先にどうぞ。払っておきますから」
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