9:松本晶[saga]
2011/03/03(木) 18:15:19.96 ID:2rhgDyLL0
また改行編集forgot ごめんなさいの極み
* * *
ひとまずそれぞれの家を教えられ、私たちは『翌日に北高で落ち合おう』と別れた。朝比奈先輩は鶴屋先輩に、涼宮さんは古泉君に、私は彼女・・・彼の親友に送られて家路についた。
「長門さん。貴方は、どういった縁で彼と知り合いに?」
「え・・・あ」
やっぱり初対面というのは苦手だ。それでも話すわけにはいかないし、知りたいこともある。
「・・・去年の五月、彼が図書カードを作ってくれた。その年末に突然彼が文芸部室を訪れてきた。その後、沢山の友達が、彼のおかげで出来た」
「それが異世界人の彼だった・・・と、成程。鼻が高いわ、そういうことが出来る人の友人だなんて」
「あなたは?」
「私は中学校が一緒だったの。塾も一緒でね、話し好きと聞き上手だったからかしら、妙に馬が合ったのよ・・・そうだ、貴方には教えておこうかしら。私の名前は佐々木。そっちの涼宮さん達には教えないでね」
「なぜ?」
「シャクじゃない。ああも楽しそうに毎日を過ごされると、親友としてはもっと僕に構ってくれてもいいんじゃないかと思うわ」
「じゃあ、何で私に?」
「貴方はなんだか・・・彼に似ているから」
そうなんだろうか。だとしたら悪い気はしないというか、寧ろ嬉しい。
「・・・くつくつくつ。まぁ貴方も聞き上手みたいだし、手が空いていたら私の話し相手にもなって欲しいわ。この名前は友誼の証みたいなものよ」
「!・・・・はい、佐々木・・・さん」
この新しい友人の押し殺したような笑い声は、好きになれそうだった。
それからは昔読んだ本の話をした。
あのSFはどうだ、あの恋愛小説はどうだ。
佐々木さんは読むだけしかしないそうで少し残念だったけれど、話が合うことが無性に嬉しかった。
「彼は読書家でこそ無いけれど、その手の話をすると喜んで聞いてくれるのさ。君も仲良くなりたいならそうするといい」
私の顔が赤くなるのを、佐々木さんは面白そうに眺めていた。
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