9:第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」[saga]
2011/03/05(土) 01:35:44.37 ID:aCI9TYL10
―――とある日、PM06:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・
空が藍色に染まった頃。自分――天草式十字凄教の学生信徒……香焼は、無人バスの中にいた。
バスアナウンス『次は第1学区学生住宅街一丁目、学生住宅街一丁目ー。御降りのお客様は―――』
ボタンを押す。
香焼「はぁ……疲れたー」ハァ・・・
学園都市の未来を担う理事候補生の養成学校で、朝8時から夕方6時まで缶詰状態。
自分が通う学校は、この街で珍しい文系メインの私立学校だ。
無論、理事になりたいが為に通っている訳ではない。『潜入任務』という名目である。
ただし折角、学費を英国清教から負担して貰っているのだからダラダラと過ごすのは勿体無い。
得られる知識は得ておこう。きっと自分の将来に役立つ。
それが自分の決め事だった。
香焼「でも、やっぱ理事校レベル高いっすね。放課後自習強制なんて……デフォで能力開発免除は助かるっすけど……ん?」チラッ
玄関前に都市製のバイク(新型ビッグスクーター)が置いてある事に気付く。
此処の住民であんな単車に乗っている人間はいない筈だ。第一、登録ステッカーを貼って無い。
香焼「……まさかっ!!?」ダッ!
急いでエレベーターに跳び乗り、7階のボタンを押す。そして一番奥の部屋へとダッシュ。
香焼「……やっぱり、鍵開いてる……という事は」ゲッ・・・
嫌な予感全開。静かにドアを開けてみた。靴が二人分ある。
そして中から喧しい声が……
五和「―――……そしたらノモ(野母崎)さんがさぁ! 立場忘れて『建宮。腹を割って話そう!』って!」ニャハハッ!
浦上「あはは! 建宮さん、今度は何しでかしたのさー!」ケラケラ!
香焼「」
五和「マジ爆笑だよねー。って……あ、コウちゃん。おかえりー」
浦上「おかえりー」
香焼「……お前ら」ジトー・・・
テレビを付けたまま談話。人の家の菓子とジュースを勝手に物色。おまけにボロボロ食べカスを落としたまま。
同じ天草式の学生信徒――五和と浦上が、『我物顔』で『堂々』と自分の部屋に居た。
しかも女子とは思えない恰好で寝転んでいる。
男子(香焼)が居るというのに、制服を脱ぎっ放し。Yシャツの第3ボタンまでオープン。
スカートの中など気にせず胡坐掻いて座っている五和。捲れるのを気にせずソファーに寝そべる浦上。
香焼「勝手に来るなって言ってるだろ!」ギロッ!
五和「そんなに怒んないでよ。怖いコウちゃんなんて、姉ちゃん嫌いだぞー」キャー
浦上「まぁまぁ。私達の仲でしょ。ね!」ニコッ
駄目だ。言葉が通じない。
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