122:1だよ[sage saga]
2011/03/14(月) 00:22:44.41 ID:ViGHE5yk0
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「お姉さま!!」
突然、後ろから呼ばれて驚いた。
そして振り向く。
「くろ――、ぐふぉッ!?」
最後まで言わせては貰えず、おまけに抱きつかれた。
後ろから、しかも強く飛びこまれたせいで、腰がイタイ。
倒れそうになるのを、両足に力を込めて踏みとどまり堪える。
「ちょっ―――」
「黒子は心配で!心配で!!」
どうやらかなり不安にさせてしまったらしい。
詫びの意味も込めて頭を優しく撫でる。
「大丈夫。ちょっと口喧嘩しただけだから」
「本当に無事で良かったですの。あまり心配させないでくださいまし」
思えば、あのグラサンにも白髪野郎にもしてやられてばかりだった。
怒りと焦りに駆られ、非常事態であるからこそ冷静で在らなければならないのに。
そう考えるとなんだか情けない。
「………あっ!」
そこで思い出した。
黒子はあの野郎と一緒にいたのだ。
「黒子は!?そっちは大丈夫だったの!??」
「へ? えぇ、まぁ……」
何と言えば良いかわからない、そんな微妙な顔をしている。
「黒子?」
「…」
「はぁ、でも無事で良かった」
「エエ、全クモッテソノ通リデスノ」
どこか後ろめたそうに、目を逸らした。
引き攣った顔をして、そして頬をほんのりと紅く染めている。
それは寒さのせいか、急いで合流しようとしたせいか、それとも―――
向こうで何が起きたのか、私にはわからない。
「ありがとう。こんな時間に付き合ってくれて」
「お気になさらないでくださいませ。これは自分で望んだことなのですから」
334Res/218.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。