196:1だよ[sage saga]
2011/04/04(月) 23:54:55.54 ID:KM7FAnvG0
「………………超電磁砲」
滝壺はその疑問に答えるように呟いた。
「超電磁砲って………アレか? あの有名な?」
もしかしたら暗部絡みの人物かと思ったけれど、そうじゃないらしい。
彼女は自分ら、特に麦野とは違って表舞台で花咲く超能力者なのだから。
しかし麦野と絹旗の反応は、ただの“知っている人”に対するものを超えている。
まるで相対したことがあるかのような反応。
仮にそうであるならば、それを聞くのはあまりよろしくない。
自分が知らないという事は、浜面仕上がアイテムに入る前であり、当然“彼女”もその場にいたことになる。
尋ねるとたぶん麦野は落ち込むだろう。ただでさえ―――
「…」
麦野本人に気取られないように注意して伺うと、
案の定、彼女は件の二人を見ていながら見ていなかった。
その表情はまるで遠い過去を懐かしむように見えるが、そうでは無い。
自らの手で“彼女”を殺めてしまった――――――後悔が浮かんでいる。
だから。
「超電磁砲の向かいに座ってるのは何者なんだろうな?」
余計なお節介かもしれない。
けれど、せめて今この場においては、
今日の本件に入る前は、そんな顔をして欲しくないんだ。
「恋人じゃないんですか? ということは高位能力者ですかね。浜面とは超違って」
「ま、そう思うのが妥当ね。浜面とは違って」
「大丈夫。そんなはまづらでも私の大切な人」
「お前ら最後が余計だ。そして滝壺ありがとう愛してるぞ。
あと…………………アイツは無能力者だよ。そう言ってたからな」
小手先だけの気遣いは功を奏した。
しかしてその矛先が少しばかり俺に向いてしまったのは想定外。
それに辟易しながらも悪態を付きつつ、マイラバ―に感謝も忘れないようにする。
いやはや滝壺みたいな恋人は俺には勿体無いかも。
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