97:1だよ[sage saga]
2011/03/11(金) 20:09:47.43 ID:E13dhYVD0
「―――――いらねェのかよ?」
「え?」
思考中に突然声をかけられ、驚く。
顔を上げると、いつの間に席を立ったのか、近くにいた。
持っていた缶をひったくられる。
「チッ、ヌルイじゃねェか。コーヒーを侮辱してンのか!? ア゛ア゛ン!!?」
待ってろ、そう言ってまたもや自販機に向かう一方通行。
杖をつきながら、歩くことが不便なはずなのに。
というか、自分は彼に足止めされているのでは?
「さみィだろうが。ソレで時間つぶしてろ」
新しく買ったソレをまた放り投げられた。
空中を舞う、缶。
呆然とソレを見て、苦笑してしまう。
今度は“自分から手を伸ばし”受け取る。
白髪の少年はベンチに座りなおし、今度は不貞腐れ始めた。
顔をそむけそっぽを向いている。
「ったくよォ。なンでこンなことしなくちゃならねェンですかねェ」
「(それはわたくしの台詞ですの)」
プルタブを開け、両手で包みこんで、いただくことにする。
かじかむ指先が缶に触れて温かい。
「(…………苦い)」
彼から渡されたソレは――
ちょっとだけあたたかく――
とてもにがいモノだった―――――
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