68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/06/28(火) 00:56:40.01 ID:7hte62mY0
「どうしたんだい、マミ」
キュゥベえの声でマミは我に返った。
「冷めてしまった紅茶は嫌いじゃなかったのかい」
「あら……」
窓の外に目をやると、街はすっかり夕暮れに染まっていた。
窓枠が店の中にひょろりと長い影を落とす。
キュゥベえが言うとおり、マミの目の前の紅茶はすっかり冷めてしまっていた。
(もうこんな時間……)
そろそろ帰らないと。
そう考えながら、マミは手元のノートを何気なくめくった。
かすかに黒く汚れたページの上に、あきが綴った小さなアルファベットがびっしりと並んでいる。
その時だった。
(!あの子……)
店のすぐ前を通り過ぎようとしている少女の姿がマミの目に止まった。
昼間、保健室で寝ていた少女だった。
(ちょうどよかったわ。話を……話をきかないと)
「キュゥベえ!行くわよ」
言うが早いか、マミは机の上の辞書やノートを鞄に押し込むと、少女を追うために店のドアへと向かった。
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