過去ログ - 死んじゃわない彼女と夢見がちな僕等
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:56:47.24 ID:7DeFjes40
「っくちゅん!」
黒木は慌てて口元を押さえたが鼻水が垂れてしまった。体を冷やしてしまったのだろう。
その様は幼い外見に相応の姿で、思わず大丈夫? と声を掛けたくなるほどだ。
だが黒木に声を掛けるものは一人もいない……、結構な時間を待っていたのだ。辺りに生徒の姿は見えない。
「……うぁー、ティッシュあったかなぁ」
ずず、と鼻を啜りながらもティッシュを探してポケットの中を探る。
「……悪い、待たせた」
「んぁ?」
「わ、どうした。鼻水が垂れてるぞ」
後ろを振り向くとさきほどの男子……高峰が小走りで近寄ってきたところだった。
「っ!? や、やぁ」
別に驚くほどのことではないのだが、なぜか身構えてしまう。
出会ったときはあれほどのことをしていたといのに、黒木はやはりどこかおかしな女の子だった。
「……? あぁ、ティッシュないのか? っと……ほら」
高峰はポケットティッシュを取り出して鼻水が垂れたままの黒木に手渡す。
ふと触れた手はとても冷えていて、高峰はどこか申し訳なさそうな表情をした。
「ありがとう……んっ」
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