過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
1- 20
131:本日分(ry [saga sage]
2011/04/07(木) 06:03:23.15 ID:FFxqgSnVP

NY上空の戦況は、ボストンへ向かった垣根の想定通りだった

彼らの敵は、大した性能は無いとはいえ垣根ですら手を焼いていた、天の軍勢の長であるミカエルを介して使役している、ローマ正教の天使の群である

一対一ならば勝っている未元物質を動力源とした大型駆動鎧であっても、数で圧倒してくるのだ

それはまるで、稲穂を襲うイナゴの軍勢。纏わり付かれたら、終いである

無限の特攻爆弾でもある存在に、有限の寡兵で戦うのは無理があると言うものだ

軍の陽動という目的を完全に逸脱し、NYの地上で一般人を根絶やしにしようとするローマ正教の魔術師たちを制圧する予定だった駆動鎧の部隊も、地面に構っていられなかった

小型の天使の群に、一機の駆動鎧がその巨大なレールガン・ライフルを向けた。出力は限界最大に設定してある。目の前の群を蹴散らすには十分すぎる程だ

「くたばれ!!!……………ッ!?」

雷鳴よりも大きな音と共に弾丸が射出される寸前、彼は咄嗟に大砲とも言える銃の射線を天使群から上にズラした

上条刀夜の"銀貨"と彼に協力する"負け組"による情報撹乱によって、NYの上空で戦う駆動鎧達は、地上との情報共有が出来ない

既に地上で情報を発することのできる兵が、満足にいるかどうかも疑問な状況である。共有システムが生きていても駄目だったかもしれない

だからこそ、彼は射線をズラさなければならないという事になってしまった

そこに天使群の悪意があったかどうかは定かではない。だがずらさずそのまま発射されていたら、天使の小群を一網打尽にした電磁砲がそのまま射線上の地上に刺さり、その場所で逃げ惑う市民の一集団を確実に木っ端微塵に吹き飛ばしていただろう

彼のこの判断は、正しいと言える。電磁砲は天使の群を捉える事なくその上を掠め、そのまま地上で逃げ惑う市民の目の前の河で大きな水柱を作った

問題は狙われた天使群だった

狙われたことによって、電磁砲をぶっ放した駆動鎧の方へ、人形の様なその首を向け、20あまりの天使が一斉にその駆動鎧へ向かったのである

来るな、近寄るな、とライフルを乱れ撃つ

焦りによって狙いは正確性を欠き、その乱れ撃ちは向かってくる小型天使の数は殆ど減らせない。弾幕としても不十分だった

畜生、ここまでかよ。彼が直後の死を悟った時

怒りを体現するような、血走った眼の血管を思わせる色形をした無数のワイヤーを、体毛の如く背中一面から生やした女性が彼の横を高速で通りすぎ、そのワイヤーで彼に向っていた全ての天使を一瞬で細切れにしてしまった

簡単に、とても簡単に

彼らが直面していた苦戦は、神裂火織の登場で一転した



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1390.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice