過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
↓
1-
覧
板
20
168
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]
2011/04/19(火) 11:27:21.78 ID:lQtguuolP
(能力と言うものを長時間かけて習得・進展させた者には、それだけの使用経験と親和性があるからなのかね、これは)
目の前、という表現は正しいのかと言われれば、正しくないと言えるだろう
なにしろ彼には目という生体器官は無いのだから。代わりにあるのはその地下空間を覆う大量のセンサー類だ。しかもそれらは元々、彼を観察する為に有ったと言える物でもあった
その目の代わりの各種センサーからはじき出された少女の数値はおよそ、人間のそれを超えていた
御坂美琴を襲った、術式を付加させて威力を向上させた自走砲だった物。その大砲の移動手段だったタイヤの部分が分離して浮かびあがり、タイヤがチェーンソーの刃に切り替わった
"イェスの間"とも言えるその空間を二つのチェーンソーの円盤が駆けまわり、少女を襲い始めたのだった
刃の無い部分、つまり車輪で言えばホイールをはめる部分に、圧縮空気の噴出口が複数付け加えられているそれは、来ると分かっていても、人間の回避行動に反応して襲撃方向を変える
それこそ野球で言うイレギュラーバウンドの様な予想外の軌跡を描いて、確実に対象を引き裂くように設定されていた
襲撃方向を変えるシステムの構築には"イェス"も加わっていて、少なくとも人間の回避判断では、神経系の速度の問題で直接的な回避は不可能という演算結果が出ていた
だが、彼女は不可能であるはずのそれを、現実にやってのけている。目の前で
("電撃使い"、つまり電気系統の能力者ならば、自らの感覚情報を時間のかかるシナプス等の神経接続を用いずに直接脳に叩きこむことが出来る。それには、データがある)
(しかし、いくら伝達が速くとも、"判断"は異なる。思考の中には必ず複数の神経接続を介さなくてはならない。人間本来の伝達系を使用することでタイムラグが生じてしまう。駆動鎧のような身体機能強化装備でもあれば、瞬発力で補ってやることで間に合うかもしれないが)
(見たところ彼女は、学園都市製の特別な装備を身につけてはいない。ある程度は能力を使って行動速度を加速できるかもしれないが、それを考慮しても……)
一方はフリスビーの様に宙を、もう一方は壁をギャリギャリと音を立てて激しく転がり回り、少女を襲う。仮に、彼女が能力を展開して、周りの金属の欠片をかき集め、瓦礫の盾を展開したとしても、その盾を回避して執拗に狙うようになっている
今度は更に、イェスを守っていない"浮遊する盾"が死角から彼女に接近し、逃げ場を消した
確かに、電磁波のフィールドを周囲に展開していれば、その"盾"の接近には気付ける
だが、二方向からの円盤に加えて盾の接近があれば、例えそれらの情報があっても、余程危機的状況下での戦闘経験などが豊富でない限り、その状況下を打破することは出来ない
彼女にそんな経験があるとは考えられないし、そうでなければ回避に最適化されていない一般人の脳の判断では追いつかないのが自然だ
それでも、イェスの予想に反して、彼女は円盤型チェーンソーの不規則方向転換機能が可能である距離を突破するまでその場を少しも動かず、円盤ソーの動きが変化しないことが確定になった瞬間に、一気に二枚のソーが向かってきた方向の丁度中心を、限りなく身を低くして滑った
(機械的、とも言える正確さだ。これはもう人間の領域ではないな。限界まで簡素にしたプログラムのようなものじゃないか)
なにか、カラクリがある。そう思うイェスの目の前で、"盾"に二枚の円盤が刺さる。"盾"の表面に、大きな亀裂が二つ入った
電気的なショックで硬化し、衝撃に対して適切な硬度で被害を受け流すように設定された特殊な合金。それで表面を覆われた万能な盾
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
1002Res/1390.56 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1299458857/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice