過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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167:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/19(火) 11:26:52.35 ID:lQtguuolP
母親を失った少女を比較的倒壊の進んでいないビルへ連れて行くと、そこにはある程度の人間が避難していた

老若男女問わずで座り込んでいた。殆ど無傷な商業施設を内包したそこならば、しばらく飲み食いには困りそうにない

だが、剣や槍を持っている人間がそのままそんな場所に近寄れば、逃げ込んできた人々は恐怖する

どんなに溶け込むのが巧みな天草式とはいえど、それは避けられないだろう

故に、女性陣だけが武器を男性陣に渡し、その場所に入って、疲れて睡眠状態に入っていた少女を託しに行った

今、その建物の入口に、警備という名のもとで立っているのは、天草式の男たちである

しかしその目は周辺に向けられていない

彼らの見上げる空を100mは有ろうかという日本刀を持った女性らしき影が、高速で駆け抜けたからである

「きょ、教皇代理、今のは」

その刀はあまりにも大きく、女性の姿は点のようなものだった。そして、その刀と体はどこからが刃でどこまでが体なのかハッキリしない

まるで、その女の方が刀の一部であるかのようだ

「間違いない、……のよな」

その声は震えていた

彼にとっては予想通りとはいえ、本当に目的の存在が現れたのだから

その存在は、ローマ正教が派遣した大量の小粒な天使の力の塊達へ、ワイヤーと言う形で具現化した未元物質で包み込み、そのままスケールを大きくした七天七刀を叩き付ける

切ると言うにはそれはあまりにも大き過ぎ、叩くと言う表現しか当てはまらない。しかも大きさの割に重さを少しも感じさせなかった

曲がりなりにも天使と呼ばれる存在を、塵の如く吹き飛ばしている黒光りしたその存在は、聖人とか教皇とか言った、少なくとも禍々しさの対極に有りそうな言葉は不似合いと言えた

「だがあれは、まるで神話に出てくるような鬼神のようじゃねーのよ」

間違いなく、そう言った言葉の方が適切だった

最大の課題。仮に、女教皇に会えたとして、

「どうやってあの状態の女教皇に近づいて、コンタクトをとるかって言うトコなのよな」

ゴクリ、と生唾を飲み込みながら、彼は課題を言葉にした

そして、彼女にとって自分たちはまだ攻撃対象のままなのか、彼らには分からない


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