過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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260:本日分(ry 推敲時間が少ないから、今回はきっと日本語の間違えとか多いですぞ[saga sage]
2011/05/07(土) 04:10:30.34 ID:sNwVsL2yP
大きなシリンダーや筋肉のような筋を掻き分けて、脚のメインフレームまで潜ると、そこにはびっしりと何らかのマークや陣が描かれていた

その意味と効果は同じAIでもイェスには分かるが、彼女にはわからない

一番大きそうな術式陣へ、左手で右手首を掴み、押し当てる

バキン! と、機械の空間で音が鳴った

上条(これで、バランスを保てなくなる、でしょうか)

そう彼女が思ったときだった。グォン、と明らかに何かのタービンか何かが回りだすような音が鳴る

イェス「残念だったな、姉君」

笑うかのような声だった。機械音声だと言うのに

イェス「必死にオイルまみれの場所に潜ってもらったところ申し訳ないが、それだけじゃ意味がないのだよ」

イェス「確かに、魔術によって出力の増幅・耐久性能の向上を行っていたのは事実だ。だが、それだけじゃない。何らかの原因で術式が乱されても倒れぬよう、科学の力のみで自立できるだけの構造と出力が保てるように、非常用の緊急出力装置を組み込んであったのさ」

イェス「出力は下がるが、動けなくなるわけじゃない。脚の内一本程度出力が下がったところで、そこまで変わりはしない。他の脚の負担量を上げて、出力を上げるまでだ。つまり、全くの徒労、と言うわけじゃないが、あまり意味のあることではなかったということだ」

上条「だからと言って、これだけの巨体ですから、どこかでその出力のバランスなどの演算しているハズ。その制御部分を狂わせればいいだけのことです」

イェス「そんなことが出来ればな。……何?」

彼に、機体の脚の一本がオーバーヒートしかけている、という情報が伝わった

上条「出来ますよ。機械だけなら脆いものですからね。特に排熱関係が狂えば致命的です」

イェスに見えているのかは分からないが、上条の視界にはルーンを描いた図柄がある

上条自身の記憶を頼りに、左手に握られたボルトで傷つけたものだ

水流に呑まれないように、目くらましの為にステイルが高温で河の水を蒸発させている光景が見えていた

このルーンを通して炎の術式が行使されるか分からなかったが、"熱を加える"という要素から同じ術式を使っているかもしれない、という予測の末だった

上条「堰を切った激流に飲まれないように踏ん張っている中で、四本脚の内一つがまともに制御できなければ、どうなるか。まず、水中使用なんて考えているような見た目ではないですしね」

イェス「……ッ」

窪んだ平地に、河の水がたまっていく。このまま40mほど窪んだ平地が完全に湖となるまで水が流入したら、20m程度しか無い多脚兵器では沈んでしまう

そうなれば、脚が冷えたとしても、根本的に想定外使用となる

上条「ホラホラ、早くこんな出来損ないから出ないと、水の底ですよ?」

完全に冷却機能を超えてパーツが損壊し使用不能となった脚から、彼はすこし悪い笑みを浮かべながら脱出した


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