過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/05/15(日) 13:43:02.38 ID:VblF9WVrP
一方「いつまでそんな右折注意の看板みてーな槍を大事そうにもってンですかァ、デカブツゥ!!!」

巨人にじわじわと近づいている下の連中を見て、瓦礫の山から飛び出した一方通行は自らへ注意をより大きく引き付けるべく、巨人の文字通り目前まで亜音速で近づいた

そして10m程に拡大した背中の翼で巨人の顔を引っ叩き、そのまま巨人の直上に飛び上がった

数秒、翼をウネウネと奇妙に動かし、次の行動に集中する

一方「槍ってのはやっぱ、こゥいうまァっすぐなやつじゃねェとなァ!!!」

叫ぶと一方通行は、ベクトルを、一方通行という言葉を体現するかのような、"かえし"のついた矢印をイメージさせるような槍に変形させた黒い片翼に、もう片方の翼を出来る限り広く拡散させて巻き込んだ周囲の大気中の電子や原子更にはそれらの運動エネルギーまで全てを攻撃要素として巻き込んで、巨人の丁度頭上から突き刺した

もちろん、そんなことが出来るのは巨人にとって最大脅威の光球に巨人の注意が特に引き付けられている、という今の状況でも稀な状況的要素があってのことである

巨人を囲むように虫の抵抗を見せていた残存勢力達の内数名の鼓膜を破り、大多数の者の聴覚を一定時間停止させ、更には病院の地下シェルター内でも大きく聞こえる様なとてつもない爆音を轟かせ、その矢印は巨人を串刺しにした

だが、その先端は巨人を貫き切って地面に刺さることは無い。こんなものが貫通して地面に刺されば、巨人の周囲に展開している僅かな生存者たちの殆どを即死レベルで巻き込んでしまう

黒翼という一方通行の今現在の能力的な限界に加えて、周囲100m以上の物質からエネルギー全てを巻き込んだ状態など、その状況を保持し続けることが出来るわけがない

何より、一方通行という存在自体が一方通行なのである。あらゆるベクトルを反射し、捻じ曲げ、破壊する。だが、捻じ曲げられたベクトルが、破壊されたものが完全に元に戻ったりなどはしない、彼には出来ない

やったら、やりっぱなし。つまり、そしてそれが一方通行である

当然、この"矢印"もやりっぱなし。維持できず、そのまま黒翼の片方ごと霧散する

自分も大きく消耗したが、これでいいのだ。今の攻撃で確実に敵に隙が出来る

一方(僅かでも隙ができりゃァ、あの光ってンのがテメェを食らうぜェ、シヴァさンよォ?)

巨人の直上から、体の軸にぽっかりと穴の空いた巨人を見下ろす

ビクビクと痙攣している姿を見て、一方通行はほくそ笑んだ

巨人を吸収する良い機会だと愚直に近づいた光球は、しかし、完全に思いの外で柄の曲がった鉾に弾かれ、弾き飛ばされる

一方(……なンだと?)

完璧だと思われた要素に、未だ足りないものがあった

先程の吸収前との決定的な違い。それは巨人自身が大技を使用していないということ

現に、吸収を防ぐために展開されている体表の防衛に回されているエネルギーはそのままだった


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