過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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[saga sage]
2011/05/18(水) 17:20:19.39 ID:/HXwzviEP
奇異なことに、突然、棺の蓋が弾け飛ぶ
しかし、その場に居た人間は誰も驚かない。まるで常識であるかの様に
「おっと、お目覚めか。流石に新鮮な肉体は早いな。モスクワに置きっぱなしにしていたら、今頃、連中はさぞ驚いていたことだろう」
黄色い衣装に身を包み、しかし嫌悪感を感じさせる顔中の金属の塊はその穴も含めて見当らない
死ぬ前にあったはずのそれらが無いことへの違和感に、彼女は自らの顔を触れた
フィアンマ「死に化粧と言う奴だ。死んでまでわざわざ他者に敵意を誘発させる必要はない」
ヴェント「こうして手駒にする為に殺しときながら、良く言うわね」
彼女の言うとおり、そして現にフィアンマは彼女を復活者とさせた。元より復活させる意思がありながら、どうして死に化粧が必要だろうか
フィアンマ「文化というものさ。ひいては、術式への互恵ともなる。それとも、ボロボロの霊装のままで、胸を肌蹴させたまま棺桶に入れて欲しかったのか?」
つまり、素っ裸で今ここに居たいのか、ということである
ヴェント「別に。んなどうでもいい事、私は気にしないわよ」
フィアンマ「俺様が気にするんだよ。モスクワでお前が目覚める可能性も有ったからな。公衆の面前で、ボロボロの衣類を身につけた死者が派手に棺桶を吹き飛ばす光景を作るわけにはいかないからな」
ヴェント「それはそれで面白いわね」
フィアンマ「俺様はロシア成教のメンツを考えてやるぐらいのゆとりはある。必要性もな。最も、いくら死に化粧をしたところで、棺から人間が起き上がれば、それはそれで問題だろうが」
ヴェント「あーらぁ? 禁書目録のガキを手懐けてるロリペド野郎のフィアンマ様が今更何を気にする必要があるのかしら」
フィアンマ「それは、俺様の趣向じゃない。功労者への配慮、気配りと言うやつだ」
ヴェント「それはどうだか。引き籠りすぎて敵意や悪意の考え方までおかしくなったアンタなら、ねえ」
フィアンマ「生き返って早々、辛辣だな。そして更に生き返って早々、頼みがある」
ヴェント「何? どうせ断れないんだから、"頼み"なんて言い方をせずにとっとと内容をいったら?」
フィアンマ「なら、命令だ。ロンドンのテッラを回収してこい」
ヴェント「テッラァ? しかもロンドンって。面倒な臭いがぷんぷんするわよ」
フィアンマ「その通りだ。俺様の命令を忘れる程度に暴走気味でな。まぁ、肩慣らしにすると良い」
ヴェント「殆ど寝てたようなようなもんだけど。ご命令とあらば、行ってくるわよ」
フィアンマ「ああ。お前まで暴走しないようにな」
ヴェント「さぁ、それはどうかしらねぇ」
言って、彼女は振り返り、ロンドンへ足を向けた
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