過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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339:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/05/22(日) 11:01:32.86 ID:eV37KtkbP
イェスからすれば、それは最終手段でもあった

重要部位ではないとはいえ、機体内部からの破壊はどう考えてもメリットを生まない。そして、とある術式を支える一片を偶然にも上条の右手が触れてしまった

それは本当に偶然なのか、意図的なものなのか、必然なのか

当事者のイェスにとってそれは、その時は優先的に思考されるべきものではない。この危険状態からの脱出を優先して考えるのは仕方のないことだった

とにかく、必然でも偶然でも、その行為者は上条当麻だった

外装全てを青白い光が包み、巨脚が外れ、各内部ユニットが露になり、それらも空中で浮かび上がりながら分解されていく

浮かすため、そして守るために術式的な青白い光のヴェールに包んでいるとはいえ、内部とは完全に弱点である

そこを露出してまで彼がしたかったのは、上条当麻のふるい落とし

上条が居る部分は、浮遊と防御を兼ね備えた術式は適応させられないので、自然に落下する。その後にもう一度合体すれば、彼と言う病巣を含んだユニットの摘出が可能となる訳だが

狙い通り上条を包むように、機体の一部分が丸々自由落下を始めた

まさかユニット一つを丸々切り離すなんて考えていない上条は、その事実に気づくまでに若干の時間を必要とする

敵が上条一人ならば、それは完璧な方法と言えた

しかし

黒っぽい戦闘用スーツに映える赤い炎の塊が、そのチャンスを逃すまいと、さっきの上条の様に一直線に伸びてくる

しかも、水没させられる前までの時よりも、数段動きが良い

イェス(まさかこの男も、そういう存在だというのか?)

浮遊砲台を始めとする下半身の武器は、砲台格納システムの片側を上条に損傷させられたことも、そして根本的に分離中は使えないということもあって、迎撃には使用できない

右手は人質・御坂が邪魔だ。これ以上に下手に力を加えれば死んでしまう。となると、残るは左手

黒い火球として、そして手には太すぎる炎剣を握って、明らかに下半身に害を為そうと近づくステイルを、その巨大な手は叩こうと振る

肉の、ジュッ、と焼ける音がした

無論、その音はステイルのものではない。皮膚と言う最重要な装甲のない、イェスの操る上半身の右手のものだ

確かに、力の大きさならば、学園都市で暴れる破壊者クラスの存在とも単独で相手することを想定しているイェスの切り札の方が大きいだろう



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