過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
1- 20
654:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/07/15(金) 15:09:49.69 ID:NevFLdj6P
フフ、と声を続ける

好意という自らの言葉に、彼女はらしくも無く気恥ずかしさを感じ、そしてそれを笑いで誤魔化したのだった

「確定的なのは、この時の私は見た目はどうであれ、まだまだ未熟だったということだね。経年も経験も稚拙で、誰かに縋るしか無かったのかもしれない」

「こうやって客観的に見れば、見えてくるものだな。本当に興味深い」

笑いを抑えるように、彼女はその手を口にやった

その手、その体もまた、彼女と彼女の違いでもある

「結局私はドラゴンなどと形容すべき形になってしまって、自らの身の器すら失って、こんな不安定な方法で身を現すしか無くなってしまったが」

視線をまた、すこし遠くの彼らに戻した

「彼女がどうなるかは、まだ分からない」

「果たして彼女が、今の私と同じように、こうして次の自らを確認するようになるのか。それとも次の私が生まれることはないのか」

「それを左右しているのは君だ、アレイスター=クロウリー」

なにかが違う気が、彼女のなかで拡がった。それは、その名前だろうか

「―――――いや、ここはあえてこう言わせてもらおう」

流し目で、体の向きを変えず、彼女は視界の橋の、例の窓のないビルを意識する

「あなたにかかってるんですよ、浜面さん」

口にしたその表情には、僅かながらに少女のあどけなさが垣間見えた


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1390.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice