過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]
2011/07/15(金) 15:09:49.69 ID:NevFLdj6P
フフ、と声を続ける
好意という自らの言葉に、彼女はらしくも無く気恥ずかしさを感じ、そしてそれを笑いで誤魔化したのだった
「確定的なのは、この時の私は見た目はどうであれ、まだまだ未熟だったということだね。経年も経験も稚拙で、誰かに縋るしか無かったのかもしれない」
「こうやって客観的に見れば、見えてくるものだな。本当に興味深い」
笑いを抑えるように、彼女はその手を口にやった
その手、その体もまた、彼女と彼女の違いでもある
「結局私はドラゴンなどと形容すべき形になってしまって、自らの身の器すら失って、こんな不安定な方法で身を現すしか無くなってしまったが」
視線をまた、すこし遠くの彼らに戻した
「彼女がどうなるかは、まだ分からない」
「果たして彼女が、今の私と同じように、こうして次の自らを確認するようになるのか。それとも次の私が生まれることはないのか」
「それを左右しているのは君だ、アレイスター=クロウリー」
なにかが違う気が、彼女のなかで拡がった。それは、その名前だろうか
「―――――いや、ここはあえてこう言わせてもらおう」
流し目で、体の向きを変えず、彼女は視界の橋の、例の窓のないビルを意識する
「あなたにかかってるんですよ、浜面さん」
口にしたその表情には、僅かながらに少女のあどけなさが垣間見えた
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