過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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655:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/07/15(金) 15:10:23.47 ID:NevFLdj6P
「……お、っ、と。そう言えば、こんな顔だったな」

彼は自らの鏡に映る顔を見て少し驚いた

ロシア、モスクワは朝。早朝と言うには少々遅い時間帯

半分は笑みを浮かべ半分は悲しみの表情を浮かべる、自らの顔を写す鏡

意識をすれば普通の人間らしい自然な表情を取り戻す事が出来るが、どうもそのことを忘れていたのか、はたまた寝ボケていたのか

フィアンマ「寝ぼける、というのはどうもあるらしい。この期に及んで、未だ寝ぼける余裕があるというのは、良いものだろうかな」

顔に冷たい水をかけて、手元のタオルで拭き取れば、ぼやけていた思考も元に戻る

フィアンマ「おかしくは無いか。禁書目録は手に入り、ベツレヘムも予想通りに進み、俺様の目的達成まで残す時間は少ない」

物事がそれなりに淡々と進む中、そこに油断や気の抜けが生じるのは、それこそ人間ならば自然と言うものだ

だからこそ、それを意識して自らを緊張させようとするのも、これまた人間らしい仕草

フィアンマ「もう、少しだ」

こぼれた言葉は、しかし、それによって生まれた緊張だけでは無いものだった

レースカーテンを空けて、目に飛び込んでくる光

彼と言う地位に有りながらそこは、スイートルームと言う得るほどに広い部屋と言えない空間だった

温かみを持った太陽光に包まれながら口の中に歯ブラシを突っ込んで、逆の手で彼は頬を擦る

生えかかった髭のジョリッとした感覚と音が体に響いた

まだまだ、自分は人間だ

フィアンマ(だがこの感覚も、もうすぐ、失われるものなのだ)

人間で無くなれば

今の彼が目指すのはそうなった存在。そしてその後に―――

それは、自らの役割

誰に与えられたでもなく、気味の悪いほどに自発的なその意識

この意識さえなければ、或いは、自分は何をしていただろうか

どうやら自分はローマ正教の一信徒としては敬虔的でないようなので、司祭などにはならずに適当な相手を見繕って、そして


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