過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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775:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/08/16(火) 12:20:13.98 ID:o6qpCmN7o
「見えなくなってしまいましたか」

女が一人、立ち止まって夜空を見上げ、呟いた

瓦礫が左右に撤去されただけの道の上に、仮設の電光設備があっても、それでも十分に見えていた夜空の星月が、今は全く見えない

相「曇が出てきた。明日のことに差し支えなければ良いのですが」

だいたい深夜の12時を回っているであろう今。すべきことが特にない者は既に休息か見張りぐらいしかしていない

彼女がこんな時間まで外を歩いているのは、これまでずっと明日の巨大隕石"神の国"迎撃実行のシステム系を整えていたからだ

上条刀夜の指示が有ったらしく、正式にシステム周りをいじれるようになった彼女の予定では、明日の朝に少しばかり手を加えれば、100m以上の口径を持った地下格納式超巨大レーザー砲の発射が可能となる

相(隕石のサイズに対して、如何に100m級の火砲であっても、それは火の粉のようなものでしかない。曇りによって精密な射撃が失敗するようなことになれば)

交代制で守衛をしている米兵に軽く挨拶をして、彼女は病院から少し離れた宿泊施設として扱われているオフィスビルに入った

雨を警戒して、天井が吹き飛んでいる部分をビニルシートで覆ってあるのが施設内からも確認できる

それを見て、やはり雨か、と気が沈む

とにかく、当麻の元へ行って今日の報告をしよう。出来れば少し甘えたい

そう考えて、一歩上るごとに一段ずつ壊れてしまいそうな階段を上っている最中

地鳴り音と強い揺れが彼女の背後から突き抜けた

ダランと垂れてギリギリ発光していた電飾が壁と何度もぶつかって破片を飛び散らさせ、ボロボロと親指サイズの礫がこぼれて階段のスポンジ化が更に進行する

手すりと壁に体重を任せて、揺れをやり過ごす

完全に揺れが静まったが、揺れている間も、そして揺れが終わった後も悲鳴などは上がらなかった

相(試射実験は今日はもう行われない。ということは、今のは本物の地震)

相(今のが本震であるといいですが。しかし、ちょっとした揺れや音では、ここに居る人たちは少しも動じなくなってしまいましたね)

神経が図太くなってしまったということだが、それは、下手をすればいざと言う時に退避の初動が遅れかねない

相("終末"ならば雨は豪雨に、微震は大地震にもなりかねない。半壊ばかりのこの都市にずっと居座るのは危険なのかもしれません)

それらから全て逃げるには、それこそ天空にでも逃げなければならないが

そんなことを考えつつ、彼女は上条の部屋の前にたどり着いた

「今までと違う感じがしなかったか? 今の揺れ」

当麻の声。しかしこれは、自分に向けられたものではないだろう。同じ部屋で横になっている誰かに対してだ



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