過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:44:15.22 ID:JZglDAH2o

目当ての塊は、中でも最も大きいものだった。
見上げれば頂上は海上にまで達し、下を見ればそれは漆黒の闇へと続いている。
軽く見渡すものの、内部へと侵入できそうな場所は見当たらない。

『あー、上下船、他の船のほうはどうなっているのよな?』

『女教皇様を中心に一番大きな塊へと向かっているところのようです。そちらは大丈夫ですか?』

『その最大の塊のところなんだが、内部に入れないことにはどうしようもないのよな。手分けして入り口を探すか?』

『この中にあいつがいるっていうのに、そんなまどろっこしいことはしてられない』

会話に割り込んだ美琴が、塊の表面へと近づいていく。

『入り口がないなら、作っちゃえばいいのよ』

かばんをから取りだした砂鉄の詰まったボトルの口を開ける。
砂鉄は一瞬海水に混じり辺りを漂うが、すぐに美琴の放つ磁力に沿って動き始める。

砂鉄によって構成された巨大な鞭。
砂鉄がある限りどこまでも伸びるそれは、磁力を操る美琴の思うままに動かすことができる。

ベツレヘムの星は世界各地の建造物の一部を無理やり組み合わせて構成されている。
つまり、岩盤のように密度が高いわけではなく、人が通れないほどではあってもあちこちに隙間があるのだ。

砂鉄の鞭はその隙間を縫うように侵入していき、その隙間を広げていく。
柱を切断し、天井を持ちあげ、時には大きな塊を丸ごと引っ張り外へと排出していく。
自身の身体能力は普通の女子中学生となんら変わらぬ美琴にとって、これほど便利なツールは他に存在しない。

あっと言う間に、分厚い外壁に直径3mほどの穴が開いた。

『さぁ、さっさと入るわよ』

唖然とする3人をよそに、美琴は砂鉄を随伴させたままさっさと中へと入っていってしまう。


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