過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:45:35.77 ID:JZglDAH2o
10mほどの厚みのトンネルを抜けると、そこは上下に広い空間だった。

『もしかしたら、崩れた時に横倒しになったのかも知れませんねぇ。
 ほらあれ、移動用の車両のレールですよ』

以下略



109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:47:06.09 ID:JZglDAH2o

ヘッドライトのスイッチを入れ、4人は恐る恐る降下を始める。
ライトだけではいささか心細いのでレッサーが魔術を発動させると、4人の周囲がほのかに明るくなる。
光源の見当たらぬ不思議な明かりだが、これではぐれてヘッドライトの灯りが切れた挙句暗闇の中に迷子、という可能性は無くなった。
幸いにも内部に侵入した時点で大分深度を稼いでいたために、侵入口が見えるくらいの深さまでの降下で済んだ。
以下略



110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:48:41.82 ID:JZglDAH2o

魔術師二人とは異なり、美琴には『神の力』の本当の恐ろしさは分からない。
しかし、その力の片鱗はすでに見ているのだ。
そして、上条当麻が最後に立ち向かった敵だと言う。
否応なしに気が引き締まる。
以下略



111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:50:02.83 ID:JZglDAH2o

そこは、今までのような階層とは違う、だだっ広い空間があった。
正確にはいくつかの階層が崩落してできたのだろう、壁の残骸のようなものがあちこちに見受けられる。
その中央に座しているのは氷山のように巨大な氷塊。
そして、それから飛び出してる無数の氷柱。
以下略



112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:51:32.82 ID:JZglDAH2o
美琴と10777号の砂鉄の鞭が、氷塊をバターのように切り裂く。
魔術を込められた建宮のフランベルジュが氷柱を砕き、レッサーの『鋼の手袋』がそれを掴んで遠くへと放る。
ただの氷ではないようで、やたら硬度の高い壁に苦戦しつつも、4人は着実に掘り進んでいった。

中心へと近づくにつれて、胸の痛みはどんどん強くなる。
以下略



113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:52:51.60 ID:JZglDAH2o

──その中央には、人型の氷像があった。
恐らくこれが冷気を放っているのだろう、付近の海水はシャーベット状になっている。
すわ上条当麻の亡骸ではないかと思ったが、それにしてはどうも様子がおかしい。
向こうが透けて見えるほど透明度の高い氷の中には何も見えない。
以下略



114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:54:07.94 ID:JZglDAH2o

建宮の言葉に、一同の視線が彼へと集まる。
ズボンをひらひらと振り、彼は説明を始めた。

『このズボンを見てみろ。ベルトのバックルも、チャックも外れてるのよな』
以下略



115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:55:58.31 ID:JZglDAH2o

『……ここからはあくまで材料からの推測だけどな、上条当麻の右腕は一撃では大天使を殺せなかったんじゃないかと思うのよな。
 いくら異能の力とはいえ人間にはまとめ切れぬ膨大な量と密度を持っているんだ。ヒトの身では消し切れなくても不思議じゃない』

しかし、彼はレベル5第三位の電撃を、第一位の反射膜をも容易に粉砕したのだ。美琴は反論しようとしたが、
以下略



116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:57:36.52 ID:JZglDAH2o

『じゃあ、あいつはどこに行っちゃったのよ』

問題はそこだ。
美琴らは上条当麻を探しにこんな深海にまで来たのだ。
以下略



117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:58:24.83 ID:JZglDAH2o

天井に開いた亀裂を抜けると、そこは先ほどの空間とは別のフロアらしかった。
ベツレヘムの星に侵入した場所のような、上下に長い空間。
上条当麻が最後に戦った場所の、真上にある通路。
そして、はるか上方にちらりと見えた光。
以下略



118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/03/27(日) 02:59:20.66 ID:JZglDAH2o

暗所に慣れた目が眩み、ふらふらとしつつもなんとか岸に手をかける。
魔術の援護があるとはいえ、水中に数時間以上。体力は限界に近い。
やっとの思いで這い上がると寝転がり、しばし体を休めた。

以下略



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