過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:54:50.24 ID:SvKeaTpjo
礼拝堂からやや離れたところまで来て、ステイルは壁に背を預けた。
おもむろに左の拳を振り上げ、思いっきり壁に叩きつける。
悲鳴を上げた指の痛みも無視して、ずり落ちるようにへたり込んだ。

久方ぶりに、彼女に名前を呼ばれた。
インデックスの記憶を奪い始めて以来、ついぞ呼ばれることはなかった。
幾度となく夢想し、渇望し、そして諦めていたこと。

だがそれは、こんな状況で叶わなくとも良かったのではないか。
炎の扱いのみに特化した彼では、上条当麻の探索に関しては何も出来ることがない。
彼女のために何もできないような男に、はたして名前を呼んでもらう資格などあるのだろうか。

「上条当麻…………っ」

何故、インデックスの心を占めるあの男は今この場にいないのだろう。
彼女に寄り添い、慰めの言葉をかける資格があるのはあの男だけではないのか。
彼はうめくように呟いた。

「必ず生きてあの子の元へ帰ってこいよ、上条当麻。
 でなければ僕が地獄の底まで追いかけて行って、君を灰にしてやる……!」


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